呼吸器内科
気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患:肺気腫・慢性気管支炎)など気道から肺にわたる病気の診断、治療をおこないます。咳、痰が長引いている方はお気軽にご相談下さい。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
日本には500万人以上のCOPD患者様がいると推定されています。
COPDは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。
長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPDは肺の生活習慣病といわれ、社会的にも注目を浴びています。
このような症状はありませんか?
- ●階段や坂道を上がったりすると息苦しくなる。
- ●慢性の咳や痰がある。
- ●ときどき呼吸とともに"ゼイゼイ""ヒューヒュー"という音(喘鳴)がする。
診断に欠かせない肺機能検査
肺機能検査とは、スパイロメーターを用いるもので、COPDの診断に欠かせないものです。
この検査は、最大限に扱えるだけの息を吸い、それを思いきり強く吐き出した空気の最大量と、最初の1秒間に吐出される空気の量を測定し、これら2つの測定値の比を出すものです。
この比は、COPDを発見する指標となります。
息切れなどの自覚症状が現れた場合は、早いうちに病院を受信し肺機能検査をおこなうことが重要です。
COPDになったら使用するお薬
薬物療法をおこなうことで、息切れを軽くし、運動能力を高めます。
COPDの治療に使うお薬は、基本となる薬剤は気管支を広げるはたらきのある気管支拡張薬、特に吸入器を使って口から吸入するタイプのお薬(吸入薬)が多いですが、飲み薬や貼り薬もあります。
また、必要に応じてステロイド薬、去痰薬、抗菌薬なども使用されます。
気管支喘息(きかんしぜんそく)
喘息(ぜんそく)とは、空気の通り道である気道が急に狭くなる病気で、その原因は、症状がないときでも慢性的に起きている気道の炎症です。
また、大人の喘息の6~8割は成人後に発症しており、高齢になってから発症する人も多く、日本の喘息患者様のうち65歳以上の患者様は45%にも上ります。
喘息にかかると、咳こんだり、息苦しくなったり、喘鳴(ぜんめい)といって呼吸とともに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という音がします。
症状がひどいときは、苦しくて動くことも横になることもできなくなります。これが「喘息発作」です。
発作が起こりやすいとき
- ●深夜、早朝
- ●季節の変わり目
- ●急な気温の変化
- ●風邪をひいたとき
- ●疲労やストレスがたまっているとき
- ●急に運動をしたとき
喘息(ぜんそく)の治療法
喘息患者様の気道には、慢性の炎症が起きています。この炎症は1ヶ月、2ヶ月では治らないため、毎日治療を続けることが大切です。
症状がないときでも、気道の炎症は続いており、ホコリ、ダニなどのアレルゲンやタバコなどの刺激、ストレスなどが加わると、再び症状が現れてしまいます。
ですから、症状がある時だけ、発作が起きた時だけ治療をしても十分ではないのです。
こうしたことから喘息には、「症状が起こらないように毎日行う治療」と「症状や発作が起きた時に行う治療」の2つがあります。
【吸入器】
薬を霧状のガスや非常に細かいパウダーにしたものを専用の器具(吸入器)を使って吸い込みます。
薬が気道に直接届くので効果が高く、反対に気道以外の臓器には薬が届きにくいことから、副作用を減らすことができます。
【貼り薬】
薬を含んだテープで、胸、背中、腕などに貼って使用する薬です。
薬が皮膚から血液に入り、血液をめぐって気道に運ばれるため、肺のすみずみにまで薬が送り届けられます。使い方が簡単で、子どもやお年寄りにも好まれます。
◯薬の使い方や使用回数については、医師・薬剤師の指示を必ず守りましょう。
◯咳がなくなっても自分の判断で薬をやめず、指示された通りにつづけましょう。